お約束のどんでんだらけの展開、裏切り上等の心理ドラマは相変わらず。その面でのグレードアップはほとんどないと思う。今回は、正義のためなら拷問誘拐何でもアリの『24』の世界に一度、疑問符をつけ、登場人物たちの苦悩を描いている。そのためか、FBIの設定があまりにお役所・堅物・愚鈍で、序盤かなりいらつかされた。『24』なら当然の法律無視の展開に毎回ブレーキがかかるんだもの。
でも、そのツッコミによって、ジャックをはじめとする登場人物がなぜそう行動するのか、立場が明らかになっていく。悩み、傷つき、後悔する登場人物たちの内面が浮かび上がってくる。
それが極まるのが最終話。トニー・アルメイダは、国を救うのと相似形の道を進みながら、じつは妻を殺した犯人への復讐を遂げようとしている。アリソン・テイラー大統領は、殺人を犯した主席補佐官である娘の処遇に悩む。大統領の息子の殺害を指示し、テロを計画した極悪人を殺したわが娘をどうするか。結局、大統領は娘を逮捕する。つまり、法を守る。たとえ、家族が崩壊してしまうとしても。
この法律を飛び越えるかどうかというテーマは、極めて『24』らしい。理性と感情のどちらをとるか? むしろ、しない後悔としてしまった後悔という方が正しいか。今までも扱われてきたテーマけど、ここまで丁寧に描かれたことはなかったと思う。
そして、ジャックは・・・。シーズン中、最も死に近い場所にいる。そして次回、シーズン8で『24』は完結するそうだ。
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