ドラムは心臓が刻む音だろ? それで、ベースが頭脳(ブレイン)だ。
このふたつが揃って完璧になる。ハートと思考がひとつの世界を作り出すんだ。 LEE "SCRATCH"PERRY―

Jul 31, 2010

ヤンさんの庭。

あの原美術館でヤン富田がコンサートをする。それも天気がよければ、中庭で! 前から原美術館の庭が僕は大好きだった。東京でもっとも好きといってもいいくらい素敵な場所。そこで、これまた大ファンのヤンさんのライブが見れるなんて。

ただ予定がはっきりしなかったので、一度はキャンセル待ちで手に入れたチケットを泣く泣く手放したりして、あきらめかけた。でも、スケジュールがなんとかって、当日券を無事ゲット! 原美術館に着いたら、中庭でサウンドチェック中らしく、音が聞こえてくる。当日券でなければ、こんな時間にはまだ着いてなかったはず。ごほうびをもらったみたいだった。


そして、いよいよライブ開始。


世界でも何台しかないという、光や湿度などに反応して音を出す貴重なシンセサイザーを使った演奏や、グランドマスターフラッシュにも付けた脳波を電気信号に変える「バイオフィードバック」、キャロライン・ノバクこと大野由美子さんとの『Love Songs』や『だいじょうぶ』・・・と、最高の時間を過ごせた。そして、何より印象的だったのは、ヤンさんのスティールパンのソロ演奏だ。以前、見たライブではパンは見れなかったので本当にうれしかった。


ドラム缶から作られる楽器・スティールパンは、透明で軽快なんだけど、どこか温かみがある音色。すごくハートウォーミングな音に感じる。でも、ライブで見ると演奏するヤンさんの姿がすごくエモーショナルで聞こえ方まで変わってくる。湧き上がってきたものを、ひとつ残らずパンに響かせていくような、大きなうねりが伝わってくるというか。


ヤンさんのトークも変わらず良かった。そのなかで「僕は"意識の拡大"をテーマに音楽をやっている」的な発言があった。無論、ドラッグ推進という意味ではない。ふだん無意識に考え、守ろうとしている「枠組み」から離れて、「あっ、こんなのもアリぢゃん!」と楽に考えられるようになったらいいな。そんな趣旨で発言されていた。


今回のコンサートで、僕はまさに"意識の拡大"した気がする。ここ数年、味わったことのない、ゆるやかでやさしい刺激。最高の場所で、最高の音楽にひたって、自分を縛りつけている殻がふわっと拡大したような。居場所が広がったような。そんな体験ができた。


美しい音楽が僕らの世界を広げてくれる。そう確信して、原美術館を後にした。




P.S.
原美術館は、このエビスのCMみたいに美しい場所。さらに日が少しずつ落ち、まぶしい芝の緑に代わって、夜の青さとステージの照明が浮かび上がる光景を思い浮かべてください。。。

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