愛を込めて
藤代冥砂
マーブルトロン
写真家・藤代冥砂のエッセイ。旅先から妻と息子に絵はがきを送る。もちろん、メールもスカイプもフェイスブックも使っているそうだけど、多くの人の手を経て届けられる郵便で思いをつづるのが、もう何年も習慣になっているそうだ。そんな絵はがきと、その旅先での思い出がまとめられている。
たとえ郵便よりも自分のほうが早く帰ろうと、書きたくなれば送る。そのときの気持ちや、その場所の空気を封じ込めるみたいだ。とはいっても内容はたわいもないものばかり。それがまたいい。
そういえば、大学の卒業旅行で行ったブラジルからは、彼女(カミさん)や両親、友だちに絵はがきを送ったっけ。ふと、ドミトリーの窓からの景色を思い出す。なつかしい。
自分も絵はがきが書きたくなった。でも、最近は出張も減ったし、家族旅行は帰省くらい。海外なんていつから行ってないだろう。
旅に出なくても、手紙は書ける。でも、家族にならともかく友だちとなると、住所が手元にない。家に初めて行くとき以外はもはや年賀状のためだけの情報になってる。うーん。
旅に出ないわ、住所録はないわ。絵はがきをさらりと書く人になる道は遠い。
でも、書きたいなあ。
そんな気持ちにさせられる本だった。
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