先日、恵文社一乗寺店のブログで知って、手に入れた本がすばらしい。同店長の堀部篤史『コーヒーテーブル・ブックス ビジュアルブックスの楽しみ方23通り』が生まれるのに強い影響を受けたという本。片岡義男『本についての、僕の本』。これは写真集を中心とした36冊のブックレビュー。あとがきにも、「一種の書評です」とあるけれど、むしろライナーノーツといった方がいい。この本に掲載された写真の来歴や価値ではなく、本を手に入れ、それこそ「コーヒーテーブル」でゆったりと眺めるように、思いをはせたことが書かれている。マリリン・モンローの知性、ベースボールという競技の完璧さ、都築響一の先を行くグロテスクな建造物、流線形というデザインが内包する未来・・・。
ともすると、写真集などのビジュアルブックスなんて、パラパラとめくったら終わり。同じ本でも物語にのめり込む小説の濃密さに比べたら、表面的なものと思われがちではないだろうか。正直、僕はそう思っていた。でも、この本を読んでその考えを改めた。ビジュアルブックスは、かくも自由に、本を開いたときごとに、さまざまな思いで「読む」ことができるものなんだ、と。それは音楽でいえば、インストゥルメンタル・アルバム。その意味でも、この本はやはりライナーノーツというのがふさわしいと思う。
巻頭の著書によるビジュアルブックスの写真もかっこいい。
これ、ブログネタにいただこうと思います。
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