高城剛といえば、デジタルガジェットと本、CD、DVDなどの資料といったモノに囲まれた部屋に暮らしているイメージがあるかもしれないが、「未来の見えない消費社会」に別れを告げ、21世紀を始めるために、数年前にその99%を手放したそうだ(東京のマンションや高級外車も含めて!)。だからキャプションには「レア」だとか「限定」なんてあおり文句は並ばない。「日々の生活の中で実際に使っているモノを掲載し、その組み合わせとパッキングに重きを置いた」だけあり、そのモノに行き着くまでの考えに満ちている。
章立ては1日、2週間、1カ月、3カ月、1年+未来となっていて、その期間ごとに必要な荷物が紹介されている。驚いたのは、1日出掛けるときの荷物がたったこれだけということ。プライベートではなく仕事でだ。写真右下にあるのは、付箋、ペン、クレジットカードなどが収まっている70円のカードケース。いかに「機能性」を追求して、世の中の価値観から自由になっているかがわかる。とはいえ、ここまでシンプルになったのも、iPhoneというデバイスの進化が大きい。いろいろ嫌になるご時世だけど、充分すぎるほど「未来感」のある時代を生きてるなと思う。
以降の章は、「住所不定」な旅行者らしい生活感があふれてくる。空港でのイミグレーションを意識した透明なバッグでのパッキング。電圧対策バッチリのガジェット。ホテルを自宅のような空間に変えるリラックスグッズ……などなど。個人的には、この「2週間」の章がいちばんツボだった。
気になったモノをAmazonや楽天でチェックしたのはもちろん、読後にしたのは毎日持っていっているバッグの中身の整理。まあ、不要なものを取り出しただけだけど。この本のおかげで、自分に必要なモノは何か考えつづけるのが趣味になりそうだ。
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